村上のお店 山熊田工房。山道の行き止まりの集落で、しな布を織り、干しぜんまいを届ける
村上市山熊田の山熊田工房は、羽越しな布の樹皮採取から機織り、販売までを手がける工房です。春に採って手揉みで干したぜんまいと、雪の冬に織るしな布を、店の公式サイトと市の紹介からたどります。
お店めぐり 提供なし(自主取材)
村上市の山熊田集落にある「山熊田工房」は、羽越しな布の織元です。店の公式サイト(通販ページを兼ねています)では、しな布の帯地や暖簾などの受注制作のほか、しな布の小物、山の植物で編んだかご、そして山熊田のぜんまい(乾燥)を扱っています。公式サイトには、工房は一般公開しておらず、観光施設ではないため工房や住居への突然の訪問は控えてほしい、と書かれています。この記事は、公式サイトの通販と案内を紹介するもので、訪問をすすめるものではありません。価格や在庫、連絡先、住所の番地は書きません。
山道の行き止まりの集落で
公式サイトの「ABOUT」によると、山熊田は「新潟県の北の端、山道の行き止まりに佇む」集落で、公式サイトは「マタギとしな布の村」と紹介しています。同じページには、集落で暮らす人は32人とあります(いつの時点の数かは書かれていません)。
工房は、羽越しな布の原料となる樹皮の採取から、糸作り、機織り、販売までを行い、後継者の育成やしな布の振興にも取り組んでいる、と同ページにあります。作り手の紹介欄によると、山熊田工房が設立されたのは2018年です。
ABOUTのページは、山熊田の一年を次のように書いています。春は集団で山を駆けて熊を巻き、ゼンマイを採っては揉み、少しの平地に田植えをする。梅雨にはシナノキの皮を剥いで糸の材料を仕込み、夏には山を焼いてカブの種を蒔く。秋には木の実を拾い、稲を刈り、長い冬への備えをする。雪に埋もれる冬には、半年かけて績み繋げたシナ糸に撚りをかけ、機を織る。工房はこの「観光パフォーマンスではなく、生活としてひっそりと続いてきた」山の暮らしを、しな布を軸に後の世代へつなげることを目指している、と書いています。
春に採って、手揉みで干したぜんまい
工房が扱う食べ物は、商品ページの「山熊田のぜんまい(乾燥)」です。原材料は新潟県村上市山熊田産の乾燥ゼンマイで、商品名には手揉み天日干し製法、添加物不使用とあります。商品ページの説明によると、山奥で採ったゼンマイを茹で、天日の下で数日かけて手で揉みながら干し上げたものです。
同じページは、乾燥ゼンマイは水煮に比べて「ざくざくとした歯応え」があり、一年中、食べたいときに戻して「いつでも春の味」を楽しめる、と説明しています。戻し方は、表面をさっと洗い、たっぷりの水と一緒に鍋で火にかけて沸騰する直前で火を止め、茹で汁に浸したまま一晩置く、と案内されています。使い道として、煮物のほか、ナムルや炒め物、和え物が挙げられています。天然のものを屋外で干しているため、まれに葉や塵が混ざることがあるので、軽く水洗いしてから戻すように、とも書かれています。
雪の冬に織る、樹皮の布
公式サイトの「しな布とは」によると、しな布は日本三大古代布(芭蕉布、葛布、しな布)の一つで、山に自生するシナノキやオオバボダイジュの樹皮から作る布です。今は新潟県と山形県の県境にある三つの集落でごくわずかに生産が続き、「羽越しな布」の名で国の伝統的工芸品に指定されている、と同ページにあります。村上市公式サイトの「村上の特産品-しな布」(2018年12月28日更新)は、羽越しな布を村上市山北地区と山形県鶴岡市関川を産地とする布とし、ざっくりとした手触りと落ち着きのある風合いが特徴で、平成17年度に伝統的工芸品に指定された、と紹介しています。
「しな布とは」によると、しな布が織り上がるまでにはおよそ1年かかります。梅雨の頃にシナノキの樹皮を剥ぎ、内皮を自家製の木灰で丸二日煮込み、川で扱き洗いをして、米糠に数日漬けると、繊維だけが残ります。それを爪で細く割き、数か月かけて端と端を績み繋げ、糸車で撚りをかけて糸にします。そして集落が深い雪に閉ざされる冬に、機を織って布に仕上げる、と同ページは書いています。山熊田でのしな布の起源ははっきりしないものの、はるか昔から作り続けてきた、とも書かれています。
同ページによると、しな布はもともと穀物袋や布団地、衣類など暮らしの道具として山村に伝えられ、昭和の中頃には着物の帯や暖簾、土産品として売られるようになりました。
公式サイトの商品一覧には、しな布のショルダーバッグやサコッシュ、トートバッグ、数寄屋袋、懐紙入れ、ピアス、風鈴が並んでいます。ヤマブドウの蔓やクルミの樹皮、ヒロイ(ミヤマカンスゲ)、シナノキの樹皮で編んだかごや敷物もあります(2026年10月6日に確認した掲載内容です)。公式サイトのかごの紹介には、山熊田ではヤマブドウやアケビなどで作った丈夫なかごを「テゴ」と呼び、焼畑や山菜採りで使ってきた、とあります。
公式サイトのブログでは、県内外の百貨店などでの展示や催しへの出品も告知されています(2026年10月5日付の記事など)。公式サイトの各ページには更新日の表示がありません。取り扱いの品は変わり得るため、取り寄せの前には最新の案内で確かめてください。
出典
- 山熊田工房 公式サイト(更新日の表示なし、2026年10月6日確認)
- ABOUT|山熊田工房(更新日の表示なし、2026年10月6日確認)
- しな布とは|山熊田工房(更新日の表示なし、2026年10月6日確認)
- 山熊田のぜんまい(乾燥)|山熊田工房(更新日の表示なし、2026年10月6日確認)
- BLOG|山熊田工房(2026年10月6日確認)
- 村上の特産品-しな布|村上市(2018年12月28日更新、2026年10月6日確認)
出典・開示
開示区分 提供なし(自主取材)
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