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村上の体験 第3回。羽越しな布のしな織り、樹皮の糸を機にかける

村上市山北地区と山形県鶴岡市関川に伝わる羽越しな布。シナノキなどの樹皮繊維で糸をつくり織る工程と、これまで紹介されてきたしな織りの体験をたどります。

体験する工芸 提供なし(自主取材)

仮の図です

シナノキなどの樹皮から糸をつくり、布に織り上げる。羽越しな布は、ざっくりとした手触りと落ち着きのある風合いが特徴の古代布です。新潟県は日本三大古代布の一つと紹介し、村上市は経済産業大臣指定の伝統的工芸品だと案内しています。

羽越しな布とは

市によると、羽越しな布は、新潟県村上市山北地区や山形県鶴岡市関川を産地とし、羽越地域の山間部に生育するシナノキ、オオバボダイジュおよびノジリボダイジュの樹皮から取れる靭皮繊維で糸を作り、布状に織り上げたものです。県も、新潟県村上市と山形県鶴岡市との県境の山里に自生するシナノキまたはオオバボダイジュの樹皮から採れる繊維で糸を作り、布状に織り上げたもの、と書いています(県の表記はオオバボダジュ)。

観光協会によると、名称の「羽越」は、羽前(山形県庄内地方)の「羽」と越後(新潟県)の「越」を取って名づけられたものです。現在は、山形県鶴岡市関川と新潟県村上市の雷[いかづち]、山熊田[やまくまだ]で織られている、とのことです。バッグや帽子など日用品に加工されている、と市は紹介しています。

指定の日付は、県が平成17年9月22日、市が平成17年度と書いています。観光協会は平成17(2005)年9月に経済産業省の伝統的工芸品に指定された、と伝えています。

観光協会によると、しな布の起源ははっきりしませんが、平安時代に編さんされた延喜式に貢ぎ物として「信濃[しな]布」と記されていることから、当時にはすでに織られていたようです。木綿や絹、戦後の化学繊維の普及に押され、今では産地からも姿を消しつつある、とのことです。

しな布ができるまで

観光協会は、羽越しな布ができるまでの工程を10段階で紹介しています。月の目安は例として書かれているので、今年も同じとは限りません。山熊田でしな布を織る工房の話は、山熊田工房の記事でも紹介しています。

梅雨のころ、川の水かさが増える時期にシナノキを選んで伐採し、樹皮を剥ぎます(例として6月下旬〜7月上旬)。生育が早く、10〜15年前後で根元が直径15〜20cmになり、しな糸に適した樹齢になる、と観光協会は書いています。この時期のシナノキは、樹皮内に水を含んで木幹と遊離しているため、皮が剥がしやすいそうです。

剥いだ皮は束ねて5〜7日間乾かし(しな干し)、のちに水に戻して灰を入れた釜で10時間以上煮込みます(しな煮)。繊維が柔らかくほぐれて網状の布の層が出るまで煮続け、灰が付いたまま川で洗う、と観光協会は説明しています。そのとき、村上市の雷・山熊田ではコキバシという道具でくず皮をしごき取り、山形県鶴岡市関川では石を使う、とのことです。産地によって道具が違うので、「村上だけの工程」とは言い切れません。

その後、糠に漬けて漂白し柔軟にし(しな漬け)、再び干して農閑期まで保存します。例として10〜12月に皮を裂き(しな裂き)、爪と指で績[う]みつなぎ(しな績み)、糸車(シナヨリ車)で撚[よ]りをかけ、機にかけて織ります。観光協会は、機織を例として2〜4月とし、地機では硬いしな糸をきれいに織るのは集中力がいるため、改良された高機を使うのが主流、と書いています。県も、梅雨の樹皮はぎから始まり、灰汁で煮込み、川で洗い、米糠に漬け、績みつなげて糸にし、雪に閉ざされる冬に機織りを経て一反が仕上がる、とまとめています。

これまで紹介されてきたしな織り体験

村上地域グリーン・ツーリズム協議会のページ(2022年5月掲載)や県のページ(2021年3月更新)では、しな織りの体験が紹介されていました。今の受付の有無は、市の最新の案内で確かめてください。

県のページ(2021年3月更新)によると、さんぽく生業の里がある山熊田では「灰の文化」が受け継がれ、灰を利用したあく笹巻きや特産品の赤カブ漬けの体験、古代織りの一種であるしな布を織るしな織り体験などができる、と紹介されていました。設立の思いとして、県は「ここの暮らしが好きだから。」当たり前に生業を受け継いできた人々の暮らしを、多くの方に来て、見て、体験し、思い出してほしい、感じてほしい、と書いています。

市は、新潟県の伝統的工芸品プロモーション映像「匠の手」で、さんぽく生業の里企業組合の匠がしな績みや織りの工程を披露している、と紹介しています。

つづく。次回は、塩谷の湊町を神輿が巡る大祭を、来年の案内として取り上げます。

出典

出典・開示

開示区分 提供なし(自主取材)

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