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村上の食 第5回。林間わさび、林の中で育てる畑ワサビ

村上市が奨励事業としている「林間ワサビ」の栽培。沢ワサビと畑ワサビの違い、試験栽培の例(スギ林)と栽培地の条件、植え付けから収穫までの流れを、市の栽培マニュアルに沿って紹介。

食べる 提供なし(自主取材)

仮の図です

村上市の農林水産物を紹介する市のPR動画の一覧には、林業の品目として杉材と並んで「林間わさび」が挙がっています。本稿では、村上市の案内と、市が公開している「林間ワサビ栽培マニュアル」に沿って、林の中で育てるワサビのしくみを整理します。

沢ワサビと畑ワサビ、品種ではなく育て方の違い

市の説明によると、ワサビの栽培には「沢ワサビ」と「畑ワサビ」があり、品種が異なるわけではなく、栽培する環境と方法が違うのだそうです。沢ワサビは水を十分に使える場所にワサビ田をつくって育てます。畑ワサビは直接水を使わず、畑や、比較的湿度が高く冷涼な山林で育てます。畑ワサビのうち、林の中で育てるものを「林間ワサビ」といいます。

市は、畑ワサビは一般的に沢ワサビより品質では劣るとしつつ、栽培地が広く、設備投資がかからず、手間も少なくて済む利点がある、と書いています。

森の手入れとセットの取り組み

村上市は、森林整備の促進と、新たな特用林産物の拡大による地域林業の活性化を目的に、市内の山林でワサビを育てる人を補助する奨励事業に取り組んでいる、と市のページに書かれています(2017年9月12日更新のページで、掲載時点の案内です)。現在も続いているかは、今回確認した出典からは分かりません。マニュアルにも「森林の手入れをしながら林間を利用してワサビ栽培を始めてみませんか」とあり、間伐などで林を整えることと、ワサビづくりが結びついています。

マニュアルには、市内の中継地域と高根地域で、70年生のスギ林を使って試験栽培をしている例が載っています。栽培に適した林床の目安は、間伐を数回重ねた40年生前後からとされており、試験地の林齢とは別の数字です。気温は生育温度6〜20℃(適温8〜18℃)で、25℃を上回る場所では病害の発生が著しいため、冷涼な場所がよいとされています。風通しのよい傾斜地で、北向きや東北向きの場所がすすめられています。

植え付けから収穫まで

マニュアルの栽培こよみでは、1年目に栽培地を選んで準備し、9月〜11月に植え付けます。春植え(3〜4月)もありますが、積雪地帯では秋植えが一般的だそうです。2年目は追肥や除草、病害虫の防除を続け、春に花芽を摘み取ります。収穫は植え付けから1〜2年後で、株を残さず丸ごと掘り起こし、土を落として水洗いします。

ワサビは根茎だけでなく、花芽や葉、茎も全ての部分が辛く、食べられて捨てるところがない作物だ、とマニュアルは紹介しています。葉柄や花芽を束にして直売所などへ出すほか、加工用にも向けられる、とあります。3年の栽培期間を終えた場所は、連作障害を避けるため、次の植え付けまで5〜6年あける必要があるそうです。

つづく。次回は、ヤマブドウを取り上げます。

出典

出典・開示

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