村上の歴史 第13回。イヨボヤ会館、観察窓と産卵
村上の方言で鮭をイヨボヤと呼びます。三面川の畔のイヨボヤ会館では、分流・種川の観察窓から遡上や産卵の様子を、季節に合わせて見ることができます。
体験する歴史 提供なし(自主取材)
第12回では、青砥武平治[あおと ぶへいじ]と「種川[たねかわ]の制」をたどりました。今回は、日本最初の鮭の博物館として開館したと県が紹介するイヨボヤ会館を取り上げます。会館は、三面川の分流「種川」に観察窓を設けていると紹介しています(武平治の「種川の制」と同じ名前です)。塩引き鮭のつくり方や家庭の加工の話は別の記事に任せ、ここでは観察と産卵の切り口に絞ります。
イヨボヤとは、鮭のこと
市によると、イヨボヤとは村上の方言で鮭のことです。県の案内では、「イヨ」も「ボヤ」も「魚」という意味で、村上人が鮭を「魚の最たるもの」としてみてきた言葉だ、と説明されています。
会館は、三面川[みおもてがわ]の畔にある鮭公園(サーモンパーク)の中心施設です。市も会館の公式サイトも、村上市を流れる三面川のサケに関する歴史や文化を知ることができ、季節によりサケの産卵やふ化するまでの様子を観察できる、と紹介しています。
種川の観察窓から「観る」
会館の公式サイトによると、三面川の分流「種川」には観察窓が10か所設けられ、ウグイ・アユ・ウキゴリや、産卵のために遡上してきたサケなど、季節ごとに移り変わる川の中の様子を、自然のままに観ることができます。地下の「三面川鮭観察自然館」は、全長50メートル、幅8メートルの大観察室だ、というのがフロアマップの案内です。秋には遡上するサケの群れや、タイミングが合えば神秘的な産卵シーンを観察できる、と書かれています。
会館の「種川の鮭遡上のお知らせ」には年の表示がなく、何年の告知かは分かりませんが、期間の目安は11〜12月上旬とされています。川の中の様子は、館内地下の観察窓から見られ、鮭の卵を狙って集まる川魚や、タイミングが合えば窓越しに遡上する鮭の姿も観察できる、とのことです。県の案内(2021年1月22日更新)でも、鮭が三面川に帰ってくる10〜12月頃、地下の生態観察室と鮭観察自然館で親鮭の生態をガラス越しに観察でき、運がよければ産卵シーンに出会えるかもしれない、と紹介されています。同じお知らせには「例年よりも時期がかなりずれ込みました」とも書かれており、時期は年によってずれることがあるため、断定はしません。
ふ化と、回帰の話
県によると、館内の「ミニふ化場」では、10月頃〜1月頃に鮭の稚魚がふ化する様子を観察できることがあります。会館の公式サイトは、海を旅して大きくなったサケは、産卵のため約4年で生まれた川へ戻る、と書いています。傷つきながらも産卵のために遡上するサケや、産卵、卵がふ化する様子に「感動」できる、というのが会館の紹介です。
地下には、淡水魚の大型水槽が並ぶ「生態観察室」もあります。フロアマップによると、サケの展示コーナーでは、1月から9月頃まではここでふ化した稚魚を、10月から12月頃までは成魚となったサケの生態を展示し、目の前で産卵床を掘る様子や産卵シーンに出会えるかもしれない、とのことです。あわせて、青砥武平治記念コーナーでは、種川の制に関するパネルとアニメ映像(7分、英訳つき)がある、とフロアマップは案内しています。第12回で触れた人物と制度を、館内でも追いかけられます。
日本最初の鮭の博物館として
県の案内によると、イヨボヤ会館は昭和62年に日本最初の鮭の博物館として開館しました。「日本最初」は県の表現で、会館サイトも「日本で最初の鮭の博物館」と掲げています。いずれも県と会館自身の言い方で、第三者が検証した評価ではないため、この記事ではその言い方として紹介します。市によると、平成24年4月1日から、指定管理者「公益財団法人イヨボヤの里開発公社」が管理運営を行っています(市ページ2018年4月1日更新の記述で、現在も同じかは確認していません)。
入館料・開館時間・休館日・連絡先はこの記事では書きません。市の観光施設案内と会館サイトで数字が並ぶことがありますが、改定や臨時の開閉もあるため、行く前に施設や市の最新の案内で確かめてください。 参照した市のページは2018年4月1日更新、県のページは2021年1月22日更新で、会館サイトには更新日の表示がありません。
つづく。次回は、瀬波温泉を取り上げます。
出典
出典・開示
開示区分 提供なし(自主取材)
出典は、本文の最後の「出典」にまとめています。
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